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『リリコは眠れない』高楼方子

内容(「BOOK」データベースより)
「スーキー!!」眠れない夜、リリコは、奇妙な絵の中に、会えなくなった大切な友だちの姿を見つけた。追いかけようとした瞬間、リリコは絵の中へ―。汽車に乗り、ふしぎな旅をつづけた先に、リリコが見たものは…。幻惑と、深い感動の物語。
☆☆☆
リリコは知ってる。色んな才能があることや、見かけがきれいということ、それよりも人の気持ちを考えられる優しい温かな心の方がずっと尊いということ。そして大人も口ではそういうけど、見かけがきれいで勉強ができる子のことが大好きで、自分のように上手にやれることが何もない子のことなんて気にしないってこと。
ジョルジョ・デ・キリコの絵の中にいる和回しをしながら走る女の子が最初に仲良しになったスーキーだと感じられ、紙に手を触れるとすっと引っ張られ・・そこから奇妙な世界へ。
それからの世界とリリコの行動になんだかキリコの絵のような不安な気持ちにさせられる。
妙でちょっと怖くて、でも気になって。

「群れの中にいるのがときどきいやになる・・・集まると考えなしになる・・・それがふといやになる・・・」(本文128ページ)

「だいじなのは、まちがえたことを忘れずにいることなのです。もうまちがわないために。・・・そして、またいつなんどき、まちがうかもしれないということを心にとめているために」(P134)


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