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『車夫』いとうみく




☆☆☆☆
容(「BOOK」データベースより)
にぎわう浅草を舞台に、車夫“人力車のひき手”の世界に飛びこんだ少年と、そこで出会う人たちとの心のふれあいを描く―さわやかな成長の軌跡。

いとうみくさん、小さい子向けも、小学生向けも、そして今回のYAも、すごくいい。今児童文学作家で私の中ではピカイチだ。
最初は、お母さんが亡くなって7年、お父さんが再婚したいと言い出して、それを裏切りだと怒りと寂しさで、浅草デートで人力車にのる2人を尾行する中学生の娘の話。ちょうど来た誰も乗ってない人力車をタクシーを止めるように乗り込む中学生。車夫の機転で先を行く2人が、亡くなった奥さんとのデートスポット巡りだったことを知って、母親の事を忘れないでいようとしてくれている事を知る娘。
2話めがその車夫17歳の吉瀬走の話。父が事業に失敗し失踪。その一ヶ月半後母が出奔。高校で陸上部だった走は、学校をやめ部のOBの前平に誘われるまま力車屋の車夫となる。前平も大学生の時に両親そろってなくしている。力車屋のメンバーそれぞれ色んな過去をかかえていて、走に温かい。
力車屋のメンバーや、乗せる客の視点で、様々なままならない人生が語られ、車夫達との交流の中でちょっとだけ前に向ける力をもらっていく。
当たり前の日常を保つ事は案外難しい。失って初めて解る幸せ。

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