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2018-07-19 (Thu)  21:40

中学1年生対象ブックトーク テーマ「心と心に生まれるものは」

中学1年国語 夏休みに読んだ本を2学期に紹介スピーチ。そのための本選びが目的の授業

子供達の周りに長テーブルをつなげて、沢山のおすすめ本をテーマ別に展示した中で行いました。
ブックトークの後、子供達は紹介本に集まりその周りに置いてある関連本も手に取っていました。
全員が時間内に、選び終わり、無事終了

ブックトークシナリオ

テーマは「心と心に生まれるものは」
 いろんな立場の人たちの心が描かれた作品を中心に紹介していきます

私たちはどんなに親しくても、家族でもその心の中をのぞく事は出来ません。
本を読むということは私たちが生きているこの小さな集団だけの経験を大きく超えて、様々な立場、様々な時代の人たちの心や知識を知る事が出来ます
そこから育まれるのは現実世界での想像する力。これは人が幸せに生きるために特に大切な能力だと思います。

ですから私はいい本との出会いをみなさんには沢山して欲しいなと思うしその手助けを出来たら嬉しいなと思っています
大手の出版社ではジャンルとか対象者別にレーベルとかシリーズ名を付けています。皆さんにおすすめのレーベルがあるのでそれから紹介しましょう。
講談社が中高生向けの作品につけているYA ENTER TAINMENT。ここから出ている作品は人気作家さんも多くて、エンターテイメント性の強い面白い作品が多いです。
ソフトカバーで、背にYAって書いてある、見た事ある人多いでしょう。
人気作家さんが一杯で、とにかく「面白い話が読みたい」という人にはおすすめです。
たとえば 


心を閉ざした女子高生が見つけたうどん屋。
そこにいたのは死神だと言う3人の青年と言葉を離すペンギン月太郎。
彼らとの関わりの中で心を解放させていく少女の成長が描かれる人気シリーズです。


皆さんには珍しい時代物ファンタジーです。そのお面を付ければなりたい人になれる、」という不思議なお面を売る少年達の物語です。村々のお祭りを回ってそこで出会った出来事が描かれていて、4つのエピソードにわかれているので、長編読むのが苦手な人は、こういうタイプもおすすめです


ある日親友の男の子が女の子になっちゃいます。しかも家族も学校出も周りでは最初から女の子だった事になっていて、元の記憶があるのはこの2人だけ。この先どうなっちゃうのって一気読み本です。人を思うピュアな気持ちにほろりとさせられる物語でもあります。

教科書に出て来た作家さんの作品もありますよ

分け解んないタイトルでしょ?分け解んない不思議な虫にいきなり「ひとを100回わらわせろよ〜ん」と言われ、奮闘する冴えない男の子達の、もてたい、変わりたいと言う思いが本当になっていくかなり元気をもらえるお話です。

色んな作家さんが書いて1冊になっている本をアンソロジーと言います。
長編まだ苦手な人にもおすすめです
このYA ENTER TAINMENTではアンソロジーも多く出てて、人気作家さんが多くどれもはずれなくおすすめですがその中からこちらを紹介しましょう

この本は、秘密という共通のテーマで、5人の作家が中学生を主人公に物語を書いています。
  
一つ紹介しましょう。陣崎草子さんの書いた秘密は
「咲き誇れ」
 
最初の1文は枡野浩一さん(他の本紹介)のこんな短歌

 だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け
こんな短歌が心にぐさっと来ちゃう主人公は浅川朱里13歳

彼女は学校の図書室で何度もかりている短歌の本があって、あるとき、それを開くとノートのきれっぱしでこんな走り書きが
 
なぜ生きる なんてたずねて欲しそうな戦力外の詩的なおまえ

短歌なんてマイナーな本読む中学生が他にもいるなんて、って驚き、そして冷や水をかけられた様な気分になります
「戦力外のおまえ」ってこれあたしのことだって〜本当は・・(153)

そして彼女は心に浮かんだ歌を書いた紙をその本にはさみます。
それから5日後、その紙がなくなっていました。
どんな人がとっていったんでしょう
そして数日後、その本に彼女の歌への返歌が挟まっていたのです。
さらにそこには名前が書いてあって、その名前は彼女がいつも見ている短歌のサイトでよく見る名前だったのです。

「あたしはドキドキしているのだ。だってたまたま短歌にであった事。たまたま借りた本。そこに挟まれていた歌。その歌を詠んだ人がちょっとした有名人かもしれないこと。そういう事全部、なんかすごい。」

ドキドキするね。けれど、このあとなんとも切ない事件がおこります

日本の現存する一番古い和歌集はなんだか知ってる?
万葉集
万葉集にあるいくつかの歌を下敷きにした物語があります。

この物語の作者は新海誠さん。ピンと来る人いる?「君の名は」というアニメが大ヒットしたアニメーション監督で監督自身がノベル化した作品です。
私はこれがすごく好き
この本は登場人物達それぞれの視点で書かれていてそれぞれの心が見えるんですね。
主人公は高校生の男の子で、さぼるのは雨の日の午前中と決めて、ある公園の東屋で過ごしていたのだけれど、そこで年上の女性と出会います。
この本情景描写がとてもきれいで絵が浮かんできます。靴職人になりたい彼、何か問題を抱えているらしい年上の彼女、この2人の心情を静かに何度も読みたくなる物語です。

伝えるための道具として言葉の力は大きいよね
それがうまくいかない、というのはどれほど辛い事なんでしょう

うまくしゃべれない中学生の物語です。吃音症って知ってるかな。どもるとか息が詰まったようになって声が出ないとか、そういう症状があるのですが実際に作者の方がその症状を抱えていて、一番苦しかったのは子どものときなんだそうです。学校はみんなに笑われないように必死な戦いの場だったそうです。物語では、ずっとずっと苦しんで来た少年が、一歩踏み出そうという気持ちになるまでが描かれています。

実はこの本、ポプラ社のteens' best selectionsというレーベルから出ています。
YA ENTER TAINMENTに比べると、重いテーマを扱う作品が多いのだけれども等身大の学校生活の中での中高生の揺れる心がよく描かれた作品が多いのでおすすめです。

『Eggs 夏のトライアングル』小瀬木
『ギブソン』伊藤たかみ
『おしゃべりな五線譜』
『アート少女』
『明日に続くリズム』
『あの日ブルームーンに』宮下恵茉
『きみスキ』梨屋  『きみのためにはだれも泣かない』
『リボン』草野たき 『反撃』

重松清さんは、6年生の時に教科書に出て来た作家さんで皆さん知っていると思いますが、彼も吃音に苦しんだ人で自伝的小説として
『きよしこ』がありますが、こんな作品も書いています。

吃音症の国語教師が主人公です。
学校って、集団で行動すること多いけど、そういうことが苦手な子もいるよね。そうしてひとりぼっちになってしまった子とその子に寄り添うちょっとかわった先生の物語が8つ。
この本難しそうに見えるけど、一つの話がこんなに薄いし(第1話のページをつまんでみせて)、何より重松サンの語り口はとっても優しいので、いつの間にか入り込んじゃいます。

アメリカで障害を取り扱った若者向けの優れた文学作品(YA、ミドルグレード、児童書)に与えられているシュナイダー・ファミリー・ブックアワード賞、2016年にその賞にえらばれた本

皆さん「難読症」とか「ディスレクシア」という障害名聞いた事あるでしょうか
読み書きに困難のある障害です。
ハリウッドスターのトムクルーズや映画監督のスピルバーグが自分で公表したので有名ですが
エジソンやアインシュタインもディスレクシアだったと言われています。
ディスレクシアの女の子の物語です
主人公のアリーは文字が動いて見えてちゃんと読めない、綴りを覚えられないから、文字をきちんと書けなくて先生からはふざけてると思われて、たびたび校長室に呼ばれる。
クラスメートには字が書けない馬鹿な子っ思われる。そんな時に新しくやって来た先生が、アリーの障害に気づいて手を差し伸べてくれる事になります。
自分がみんなと違うという辛さを抱えたアリーに、そして先生はこんな風にいいます
「だれもがみなそれぞれ違う風に〜」P172
だからこの本のタイトルは「木の中の魚」

吃音症もそうですが、ハンディがある子どもにとって学校という場は試練の場でもあります。
OCDという精神的障害があります。日本語で言えば不安障害の一つで「強迫性障害」と呼ばれていて、不安で同じ行動を繰り返してしまう、寝る前の儀式がいっぱいあったりする少年の物語

者がこの障害を持っていて主人公と同じ年頃の体験をそのまま物語にした物なんだそうでかなりリアルです。これは去年私が読んで良かったなあと思った本です。
この本は、アメリカで去年エドガー賞児童図書部門を受賞した作品です。エドガー賞というのはミステリー界でかなり権威のある賞で去年日本人の湊かなえさんの作品が候補になったりもして日本人初かと話題になったりしていたのですが、こちらミステリーとしても後半かなりドキドキします。
学校で同級生の女の子から自分の母親がボーイフレンドと協力して父親を殺してしまったのではないかと疑って、その証拠を一緒に見つけて欲しいと相談されます。どうなっていくのでしょう。

目に見えるハンディがなくても教室の中の人間関係は難しいね
人との関係でうまく行かない心の辛さを描いた作品はまだまだあります
本屋大賞って知ってる?
全国の書店員さんが一番みんなに読んで欲しい本を毎年選んでいます。
今年の本屋大賞に選ばれたのは学校に行けない子供達を描いた作品が選ばれました

中学1年生のこころは、学校に行けなくなって自分の部屋にいるのですが、ある日、その鏡が光りだし、思わず手を伸ばすと吸い込まれてしまいます。気がつくと狐の面をかぶった低学年くらいの女の子がいて「あんざいこころさんあなたはめでたくこの城のゲストに招かれました」といわれます。実はこの鏡の中には、こころの他に6人の学校に行けなくなっていた中学生が招かれていました。
城にいられる時間は朝9時から夕方5時まで。
鏡を通って現実の世界と行き来するわけですが、様々な仕掛けがされていてラストその仕掛けが一つに繋がっていく物語の構成が見事で、ほんとにラストびっくりします

中高生を主人公に家族の物語を沢山書いているのが瀬尾まいこさんと言う作家さんで、教科書にも出てきましたね。実際に中学校で国語の先生もしていた方です。
瀬尾さんの作品は大変な家庭状況を描きながら、深刻になりすぎずに淡々とユーモアも交えながらそこにほんわかと光が射す様な印象の作品が多いです。

この作品はいきなり、新しくお父さんとなった優ちゃんに中2の隼君が殴られるシーンから始まります。

隼君は生まれてすぐにお父さんが亡くなって、お母さんも仕事で家にいないのでずっと寂しかったの。だから町の歯医者さんの優ちゃんとお母さんが結婚してとても嬉しかったの。普段はとても優しいのに突然豹変して暴力が止まらなくなる優ちゃん。本人も苦しんでいます。隼君はこの問題を2人で解決したい、2人で頑張ろうって言います。優ちゃんを失いたくなかったんです
隼君はお母さんにばれないように必死にこの事実を隠します。
ラストは、私はすごくいいなあって思いました。

学校生活の中では教室の他に部活の人間関係も色々ありますね。
部活動を舞台にした小説色々あります
今日こちらにもってきた物語はどれもおすすめですが、合唱部の物語を紹介しますね

この作品はNHKのドキュメンタリーから生まれました。
NHKの合唱コンクールを目指す中学生達の物語。
登場人物の一人に桑原サトルというずっとぼっちの少年がいるのですが
 彼の心の秘密がとても切なくて印象的でした
合唱部の生徒達は、15年後の自分に手紙を書く宿題が出されるのですが、
もし皆さんだったら、15年後の自分にどんな手紙を書きますか?

中田永一さん名前を沢山使い分けているミステリー作家さんです。デビューは16歳乙一 この作家さんはスキになると中毒性のある作家さんで全部読まずにはいられなくなります。

小説ではない本物のミステリーを解いていく人、科学者が書いた本

アメリカにしか住んでいない不思議な蝉がいます。13年、または17年も土の中にいる蝉。

この蝉、とんでもない事に、半径数十メートルの狭い場所に数十万匹の蝉がでてきて大合唱するんだって。

なぜ13年と17ねん?、
それはなんと地球の長い長い歴史と関係があったんですよ。謎を解き明かして行く過程のワクワクと命の不思議を感じる本です。
数学好きな人いる?数学好きな人にもおすすめですよ。

命の問題といえばこちら、今年読んだ絵本で一番良かったです。


ロボと呼ばれたオオカミとシートンの物語です。賞金がかけられ多くのハンターがロボをしとめようとしましたが、誰も捕まえる事が出来ず、あまりにもかしこくてロボの群れには魔力があって誰も捕まえる事が出来ないと言われるようになっていました。そんなときシートンにロボ退治の依頼がきます。ハンターとしても名を知られていたシートンは喜び勇んでロボのいる地へと向います。
ここからロボとシートンの攻防が始まるのですがこの部分、
この本オオカミという動物の魅力が一杯に伝わります。
シートンは最後にロボを捕まえるのですが、喜びではなく、いたたまれない思いにうたれます。この経験がシートンの心を大きく変えていきます

今インターネットとかテレビとかで世界は身近になりましたが、そんな世界を感じる本を紹介しましょう。

タリバン政権のために普通の生活が出来なくなってしまったアフガニスタンの11歳の少女パヴァーナの物語です。

ある日タリバン兵が突然やって来て父を連れ去ったため、家族の唯一の働き手としてパヴァーナは男の子の格好をして市場で働き始めます。タリバン政権になって、女性は働いたり一人で外を歩く事が出来なくなってしまってお母さんが働けないからです。
作者はアフガンの難民キャンプを訪れて取材を続けたためにアフガン女性から手を引かなければ殺すと脅迫状を送られたそうです。
つまりここに書かれている様なことが実際にあるということです。
この本を通してパヴァーナの人生に寄り添った人は、きっと世界のニュースを見た時、そこに映らないことも想像出来る人になっているのではないかと思います。
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最終更新日 : 2018-07-19

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