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『明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち』アラン・グラッツ


内容紹介
1939年、ベルリンに住むヨーゼフ一家は、ハンブルクの港からキューバ行きの客船「セントルイス号」に乗り込む。乗客はヨーゼフ一家も含め全員が、ナチスによる迫害を逃れてきたユダヤ人だった。1994年、ハバナでは苦しい経済状況と政治的抑圧を逃れてアメリカに脱出する人々が続出していた。イサベル一家も隣の一家と共にアメリカを目指し手作りのボートで海に出る。2015年、シリアのアレッポに住むマフムードは、爆撃を受けて自宅アパートが崩壊し、家族と共に国を出る。陸路・海路を遠く旅して、一家はヨーロッパをめざす。
時も場所も超えて同時進行で語られる3つの物語。彼らの運命はやがて思わぬところで結びつくことに……。命の危険にさらされ恐怖と闘いながらも、明日への希望を見失わず成長していく子どもたちの姿を描いた、歴史的事実を踏まえたフィクション作品。

ヨーゼフはユダヤ人一家の長男12歳、6歳の妹、弁護士として働いていた父と、母。突然ナチスの突撃隊が家に入り、父親を収容所に連れて行く。
それからようやく半年経ったある日、父親から連絡があり2週間以内に国を出るという条件でダッハウという強制収容所から出されたという。
一家はハンブルクで死と隣り合わせの収容所生活で心を病み変わり果てた父と落ち合う。そして集まったユダヤ人達とキューバへの入国許可証も持ち、いずれアメリカへ渡ろうと、キューバへ行くセントルイス号に乗り込む。
この船でユダヤ人達は乗務員に大切に扱われキューバに着くが・・

キューバ、ハバナのイサベルは11歳の女の子。ソ連崩壊に伴いキューバの景気はどん底。町で起こった暴動に巻き込まれ、父親が警官に目を付けられた。父親は以前も1年間も投獄された事がある。不安なその日のテレビでカストロ議長がキューバを出たいものを邪魔しない、というメッセージを流した。父と身重の母、祖父とイサベルは、隣のカスティージョさんが作っていたボートで一緒に乗って国を出る決意をする。イサベルは宝物だったトランペットを漁師にガソリンと交換してもらう。

シリア、アレッポでは爆撃によって住む所を失ったマフムードと弟ワリード、まだ赤ちゃんのハナ、母、エンジニアの父は難民受け入れを表明しているドイツを目指す事にした。生きていたければシリアを出るしかないと。

どの一家も大変な旅となる。全員が無事に、という家族はない。

犠牲者のニュースが数字として伝えられる向こうにあるものを見せてくれるのが、こういった物語だ。
時代も国もちがう所で生きた家族が、
混じり合う
キューバの家族とドイツのヨーゼフの家族
そしてヨーゼフ一家とマフムードの家族
歴史は、一つ一つの事象ではなく、そこに人が生きていく限り、いろんな所に繋がっているのだ。

知らない事が無関心になる。
マフムードが、目に見える存在になろう、とハンガリーで入れられた難民キャンプから抜け出しオーストリアに向って歩き出す。沢山の難民達も一緒に。報道のヘリがとび、記者達がインタビューに近づいてくる。
そしてオーストリアへ着き、ドイツのミュンヘン行きの列車にのり、ドイツで歓迎される。

言葉も通じない国で、たとえ前の国で医師や弁護士の資格があっても、その職業が出来るわけでもない。一から始めて生活を立て直し自立していくのは大変な事。子ども達は何年かすれば大人になる。教育の問題も大きい。

今この時も、難民キャンプで助けを求めている人たちがいる
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