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『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお


内容(「BOOK」データベースより)
いじめがきっかけで学校に行けなくなった、小学6年生の火村ほのか。たどり着いたおんぼろ図書館でみどり色の司書、謎の少年、そしてたくさんの本に出会い、ほのかの世界は少しずつ動き出す!こころを彩る感動の物語。世界一美しいラストが、あなたを待っています。第1回氷室冴子青春文学賞大賞受賞作。

これは、本好きの心をくすぐる
この物語にはたくさんの本が登場するし
舞台は図書館。
実際作者は公立図書館の司書さんだそう。
だから
「図書館の自由に関する宣言」
とか
運営が民間会社に変わる、
とか
とくに
「図書館は利用者の秘密を守る」があってこその物語となっている。

いじめがきっかけで6年生のほのかがたどり着いたのが図書館。
お父さんが急に仕事が変わってひっこし、転校。お母さんはずっと入院している。
クラスの中心女子の機嫌を損ねた翌日から
椅子にボンド、とか上履き隠しとか、机や椅子が消えてる、とか良くあるいじめ。
しかもその女子が、お父さんの新しい仕事場のパワハラ満開の上司の娘
ほのかが選んだのは先生に言うでもなく、親に言う、でもなく、誰にも言わず学校に行かない、という方法。
うろつき回ってたどり着いたのが図書館
図書館には、へびおとこがいる
顔の右半分が緑色。右手の甲も。深緑からエメラルドグリーンまで混じり合って細かくごつごつしてて。
実は彼は素敵な図書館員イヌガミさん。
ほのかは毎日図書館へランドセルを持って通うようになる。学校へ行っていない事を知られないようにお父さんのスケジュールをしっかりチェックして。

あたしが一番図書館を気に入ったのは、だれもあたしを相手にしないってことだ。(P41)


毎日の教室でのいじめにちっとも気づかない担任の織田先生。
家のポストに入っていた手紙には
「火村ほのかさんが休んでいるのはどうしてですか?一回学校に来てお話ししましょう」
この先生、「悪い人」ではなさそうだが、
見て見ぬ振りをして、たいした事はないと自分にも周囲にも取り繕って
面倒になりそうなことから逃げるタイプ。
織田先生が、ほのかが図書館に来ていないかと図書館にたずねてくる。
小学生が昼間から来てたら学校はどうしたのかと問いただすのが大人の常識じゃないかと言う先生に
イヌガミさんは
「問いただしたら、その子はここにもう来られない。次はどこへ行くんですか?そうやって子どもの行き場をなくし、追いつめろというのですか?」

先生はその後週一くらいで図書館に来て何も聞かずにイヌガミさんに手紙やプリントを預けていく。

「知ればその分怖くなくなるから、今までより広い所へ行ける。知ることは便利な道具なんだよ」
「そういうのを、ちょっとカッコつた言葉で『真理がわれらを自由にする』っていうんだ。国立国会図書館の壁に掲げてある」
(P216)

三学期になって先生とお父さんの作ったプログラムに沿って少しずつ保健室登校から始める。
お父さんは誤解が解けて元の会社に戻れるようになって元の家に引っ越しが決まる。
なんだか色んな事がぐるんとうまく行くって気持ちいい。

この図書館には中学生の男の子富田君もいる。スタビンズくん。
ほのかとけんかしながら、図書館の仕事を手伝ったり。

月日はたって・・・ほのかは高校三年生
ちゃんとみんな前に進んで
スタビンズも、イヌガミさんも、二人を助けてくれた図書館もちゃんとある。

ラストは、読むほとんどの人にその絵が見えると思うな。
印象的なラストでした。
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