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『天邪鬼な皇子と唐の黒猫』渡辺仙州


☆☆☆+
内容紹介
定省がしぶしぶ飼うことになったその猫は、
「四面楚歌」の夢を見るらしい。

ツンデレ皇子と中国から来た猫の
痛快平安ストーリー!


* * *
天慶8年(884年)、唐の蘇州に人語を解する黒猫がいた。蘇州の猫の王で、目標は「一生ぐうたら生活をすること」。ある日、商人につかまって日本へはこばれ、光孝天皇の第七皇子・定省に飼われることになる。「猫なんて好きじゃない。父に言われたから仕方なく飼っているだけ」と口では言う定省と、なぜかたまに、自分が追い詰められている四面楚歌のシーンを夢に見る唐の黒猫の、奇妙な日々が始まる。

ぐうたらが目標の猫だが、渡航中に、海に放り出された自分を助けた水夫が死んだ。それで「だれか一人くらい助けてから天寿を全うしよう」と決める。やがて即位し、天皇になった定省に危機が訪れ……


<定省=宇多天皇は、日本最古の猫ブロガー!>
宇多天皇(867-931は、父光孝天皇が一度は臣籍降下させて一般人となったが、光孝天皇の死後、皇族に復帰させられて即位した歴史上の実在人物。宇多天皇の日記『寛平御記』には、父からもらいうけて飼った黒猫を絶賛する文章が延々とつづられているのですが、「先帝にもらったから仕方なく飼っているだけ」と言いわけしてあり、「ツンデレ天皇の猫日記」として有名です。本書は、唐から渡ってきた黒猫の視点で、宇多天皇と自分のことを描いています。猫視点のユニークさと、人間味のある登場人物たちの物語をお楽しみください。

「吾輩は猫である」風に猫視点で描かれる
主人公の宇多天皇の「寛平御記」は猫界では有名なようで、
それが元になっている。

「おれさま」はひょんな事から日本に運ばれ、天皇に献上され、天皇の息子、定省(さだみ)の飼い猫、クロとなる
この猫、兵法を知り、人語を理解する。どうやら昔、人間だったらしく、その頃の夢を良く見る。
天皇家を巡る権力争いと猫達の縄張り争いが同時並行でクロはグータラしたい、という願いもむなしく否応無く巻き込まれていくのだが、すごーく強いためリーダー達にも一目置かれる存在となる。

定省の妻義子は学問好き、もう一人の妻胤子は和歌好きで、二人は意気投合。

私の好みとしては
天皇家の権力争いの方をもう少しクローズアップして、猫視点で描いてくれた方が良かった。
前世関わりがあるらしい猫達の物語も悪くはなかったけれど。

シリーズ化しそうなので、宇多天皇のこれからがどう展開していくか楽しみでもある
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