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『世界とキレル』左藤まどか


☆☆☆
スペシャルサマースクール「森の家」。新時代をよりよく生きるため、先入観にとらわれない人材育成を目標に、7人の中学生が同じ環境、同じ食べ物、同じ服装、同じコンディションの中で、夏休みの3週間を過ごします。参加者は全員制服着用。私服不可。食事は自給自足を原則に、オーガニック食材を使用した特別メニュー。ジャンクフードは禁止。デジタル・デトックスのため、スマホ・PC・タブレットは没収。両親とは週1回、固定電話で通話可。母の策略により、このサマースクールに参加させられた中学2年生の舞は・・・。
小学校の頃成績優秀だった舞は、国立大学附属中学校に受かったが
入学してみると周りのレベルに着いて行けず、
どんなに勉強しても成績が上がらない
やがてスマホでSNSにアカウントを作り、
自分とは別人格での投稿でフォロアーも千人を超えた。
中学校には友だちはいない。
スマホばかりいじって部屋にこもる娘を心配する母親に
2年生の夏休み、素敵な森の写真を見せられ、
人気のネットマガジンN&M社のタイアップ企画の林間学校のようなものに
従姉妹の鏡花ちゃんと参加する事に。
宿泊費等無料の代わりに、三週間の子供たちの生活の様子をアニメっぽく加工、
声もアレンジしてダイジェスト版に編集し配信するらしい。
顔はわからなくすると言っても
カメラにずっと撮られる事、肯定的に足らえる子どもばかりで
私はちょっと恐いな。

参加者は責任者の伝手で集められた中学生達が他に5人
貧しい暮らしらしい中1と中3の伊藤兄弟(イトワン、イトツー)
会社社長の跡取り息子の純、中3
体の大きなカセ(プーさん)
お父さんがアメリカ人でぽっちゃりした体型の、のえみ・サンダーは舞と同じ中2


着いてすぐにスマホを取り上げられ、持ってきたスナック類やカップラーメンも没収
ここの暮らしはとことん、良さそうなものだけの生活
夜10時に就寝朝は7時起床
午前と午後のレクレーション
夕食後は「団らん室」でコミュニケーションタイム
そこでゲームができますよ、といわれたが
昔ながらのカードゲームやボードゲームだ
全員同じ制服を与えられ
同じ環境、同じ食べ物、同じ服装という
同じコンディションで過ごさせられる
食事は穀物は必ず全粒穀物、薄味、マナーにも厳しい
好き嫌いの激しい舞にとっては厳しく
出て行く、と決心する

この生活は・・多分私もいやだなあ
外部と連絡を取らせないとか
ちょっとやり過ぎでは
と思うけれど、
出て行く決心をする舞の強さは
清々しい
朝方まだ暗いうちに家をそっと出て
見つからないようにと脇道に入って。

結局滑って急な斜面を落下して
方向がわからなくなり、怪我もして・・となるのだけれど

この経験が彼女を大きく変えて
何かの事故で遭難しても大丈夫なように、
山の事森の事をもっと良く知りたいと思うようになったり

夜のコミュニケーションタイムで
可愛くて家柄も良くていい子の鏡花ちゃんが
舞みたいに強く自由に生きてみたいとコンプレックスを持っていた事を知って
驚いたり。
舞は自分が気が強く見えても母親に言いたい事が言えず
学校でもひとりぼっちでSNSにはまっている事を告白したり。

こういう自分の弱みの告白大会って
依存症の人達の自助グループのミーティングみたいだなあって思った。
舞がスマ穂依存の矯正施設として送り込まれた所なので
他の子も親たちが、意図を持って子どもをいれたのだろうから
元々そう言う所、ということなのだろうけど。
他の子たちも家族に送り込まれたってことかな

この施設のやり方や、子供たちの生活を配信する、という企画に
賛成は出来ないのだけれど
学校以外に繋がりを持てる場所があるというのはいいよね
子供たちがそれぞれ自分の抱える悩みを
共有してリアルに繋がり合っていく様子を
面白く特に舞の素直さが魅力的だった。
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