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『ハジメテヒラク』こまつあやこ


☆☆☆+
『おはようございます。実況はわたし、出席番号三十三番、綿野あみがお送りいたします。』
ひそかな趣味は脳内実況!そんなわたしがなぜか生け花部に……。2019年度中学入試最多出題作『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞受賞のこまつあやこ氏、待望の2作目。
ユーモラスで爽やかな青春小説!

「あ、いえ、そうじゃなくて、生け花ってふつう……」
女の子がやるものじゃないんですか?
その言葉が喉(のど)から出かかってわたしははっとした。
【実況ってふつう男性がやるもんだろ】
むかし、おとうさんが早月ちゃんに向けた言葉が蘇る。
ダメだ。同じようなことはいいたくない。──本文より。
 中1のあみの脳内で繰り広げられる実況中継がとっても楽しい
あみが脳内実況するようになったのは
仲間はずれにされて落ち込んでいた時に
競馬の実況アナウンサーを目指す従姉妹の早月ちゃんからのアドバイスを受けたから

「クラスの輪から外されてると感じるなら、いっそ自分はその輪を実況する役割なんだってことにしちゃえばいい。観察して心の中で実況すればいいんだよ。」

生徒会副会長で生け花部部長のジョウロ先輩に誘われ入部
メンバーは城部長と中3お団子ヘアの谷平先輩(カオ先輩)、あみと同じ1年生の自分からはほとんどしゃべらない久島さん(マオちゃん)

日本の季節
七十二候には花に関わる名前が多いそうで
二四節気七十二候のことが生け花部顧問の野山先生からよく話されて
あみといっしょになってへーって、思ったりする
春には「桜はじめて開く」
秋には「菊の花開く」とか
季節の名称がこんなことばになってるなんて、素敵
今まで素通りしてたなあ
タイトルはこの七十二候からなんだ

バラバラ感あふれるメンバーに戸惑いつつも
少しずつ最初に見た印象と違う面が見えてきて
人って色んな面があるんだなあって気づくあみの成長は微笑ましい

生け花部の花や学校の花壇の苗を届けてくれる花屋のヨシマサ屋
店の娘の可菜子さんを
部長が密かに思っている事、さらにもうすぐその店が閉店してしまう事を知ったあみは
なんとか二人を応援したいと
文化祭の出し物に
「実況付き生け花ショー」を提案
文化祭の七十二候は「山茶始開(つばきはじめてひらく)」
ここのつばきは、サザンカのことなので、物語では「サザンカはじめてひらく」といっているのだけれど
そこから、ショーの名前を「ハジメテヒラク」でどうかと。

実況をするにはその人の事を知らなくてはできないと
あみはマオちゃんを誘ってカラオケに。
初めて色々おしゃべり出来て
彼女がなぜしゃべらないのかを知る
彼女のお母さんがベトナムで、小さい時ベトナムに住んでいたので
日本で言葉の発音をからかわれ、しゃべるのが恐くなってしまっていたのだ。


多様性とか多文化がさりげなく描かれているのもいいし
何よりショーに向けて頑張る様子
ショー当日の緊張と感動がとても良く伝わる気持ちのよい作品でした。


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