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中学校ブックトークシナリオ「変わったもの(人)あります」

中学3年生に30分のブックトークシナリオ
テーマは
「変わったもの(人)あります」

良くあるものから身近な物から変わった物までなんでも集めているのが博物館です。

その博物館ではたらく 好きが高じて、いわゆる変人の域まで達するような研究者たちのことや、研究の意義についてまで語られるのが
「へんなものみっけ」早良朋(さわらとも)

舞台はある地方都市の博物館です。

そこに市役所勤務歴3年の、薄井透さん26歳は博物館勤務を命じられます。
市役所から来た薄井さんにとって博物館の研究者達、そしてその仕事内容は
博物館ってこんなことやってるの?と驚く事ばかりです。

初めての出勤日、バイクでの通勤途中、目の前に現れたのは血の滴るカモシカを担ぐ女性。
「鮮度が命なの、轢かれたてで死後硬直もまだなの」ってお願いされてつれていかれたのは、自分が今日から出勤する事になっていた博物館。いきなりカモシカの解剖につきあわされます。

解剖すると、その生き物の生息環境の状態やなぜ死んだのかなど色んな事がわかるんだよね。
この本には8つの話が入っていて各分野の研究者が出てきます。だから陸の動物だけでなく、植物や、海の生き物の研究者達が出てきて彼らの蘊蓄も楽しいし、彼らの「好き」という気持ちを極めた生き方に薄井さんが驚きながらも共感して薄井さんなりの関わり方をしていく様子がとてもいい物語です。

生物の多様性についてや、働くということについても考えさせられます。
この本を読んで私が俄然読みたくなった本があります。
この漫画の2巻に海の動物の研究者が表紙になっているのですが

まさにこの人のことじゃない!っていう本が
「海獣学者、クジラを解剖する。」


一般向けにすごく優しく書いてあるので皆さんにも読めると思います。クジラの他にも、ラッコやアザラシ等海のほ乳類の魅力が一杯なので動物好きの人には特におすすめです。

好きな事を突きつめるのは研究者ばかりではありません。
絵本画家で「あしながばち」というこの絵本を作るために、

なんと最終的には京都にあった観察地から東京の自分のアパートにあしながばちの巣ごと持ち込んで一緒に暮らして観察を続けたのがこの作者。
蜂と部屋の中で一緒に暮らすなんて、普通では考えつかないよね

「あしなが蜂と暮らした夏」甲斐信枝

甲斐さんは今90歳です。90歳でこの本をだしたのですが
これらの絵本を見た記憶がありますか(たんぽぽ、つくし、きゃべつばたけのいちにち、雑草のくらし)
このような自然を対象にした科学絵本を描いている画家です
子供向けのこれらの絵本が甲斐さんの熱心な観察の元に作られたのだということにこの本を読んであらためて、すごいなあって思いました。

京都市郊外でキャベツの写生をしている時にあしなが蜂の青虫狩りに出会います
こうやって青虫を団子にしてすに持ち帰るのですが、(あしながばちの表紙)
興味を持った彼女は
蜂達の巣を探しまわり、一軒の納屋の中にたくさんのあしなが蜂の巣がぶらさがっているのを見つけ観察を始めます

こんな小さな虫にそれぞれに性格があるってみんな考えた事ある?でもあるようですよ。例えば
リンゴ箱の中に巣を構えた母蜂の臆病で不器用な様子はこんなふう

「私が、巣の中を覗き込んでも、箱ごと持ち上げてがたがたゆすっても、彼女は、巣の上をあちこち移動するだけで怒りもせず、逃げもせず、果てはわたしが虫眼鏡を巣の縁に当てて卵を覗き込んでも、じっと私を見つめ続けるだけでした。巣の作りも乱雑で、卵も不正確なら、壁も薄くて、穴や隙間だらけ、たまに外出すると、何時間も帰ってこない、というふうでした。」(P25)

このりんご箱の巣にはまた思いがけない事がおきます。
大きく育っていた幼虫の一匹が部屋から消えていたのを著者が発見してなぜいなくなったんだろうと不思議に思います。
その後、一匹の母蜂がそのリンゴ箱の巣を覗き込み、大きな幼虫がズルズル引き出されているのを見て
著者は犯人は母親だ、と思います。
ところが違ったんです。どういうことが起きていたのでしょう

とても几帳面で勇敢、優れた母蜂もいました。
甲斐さんが「赤巣の女王」とよんだ母蜂の作る巣はどの部屋にもゆがみがなく、壁の厚さも均一
えさ取りに巣を空ける時間も少なく、こまめに部屋を見回り点検します
幼虫が育ってくるとスズメバチに教われる事があるそうです。スズメバチはあしなが蜂の幼虫が大好物なんだって。
母蜂たちはなす術もなく巣から離れた所で身動き一つせずに嵐が過ぎるのをまちますが
「赤巣の女王は、違いました」って作者は書いています。
巣の中の幼虫を漁るスズメバチに何度も体当たりをくらわせ続けます。
このシーンを読むとき、私は虫の話なのに、動物記を読むようにドキドキしました

こんなちいさな生き物にそれぞれ個性があって、短い人生にドラマがある、ということに
命の不思議を感じました。

さて観察の途中、甲斐さんは東京に戻らなければならなくなります。
なんと彼女は3つの巣をアパートに持ち帰り観察を続ける事にします。
女王蜂ごとハトロン紙に包んで新幹線に乗り込む、という大胆さにもびっくりしました。
その後の観察でどのような事がおきるのか、アパートの部屋でどうやって一緒に暮らしたのでしょうか

蜂やありは、女王と労働者で成り立つ社会を作ってくらしてますよね。
それと同じような社会を作って暮らす唯一のほ乳類がこれ、ハダカデバネズミ。

土木係とか食料係とか別れて働き
繁殖能力があるのは女王とその夫だけなんだそうですよ。
こんな変わった生き物ばかりをあつめた本が
「へんな生きもの へんな生きざま」早川いくを

早川さんは「へんないきものシリーズ」を沢山だしていて、とてもくだけた楽しい文を書くので面白く怖めるのですが
こちらの本は写真にとてもインパクトがあります。
(4つ程見せる)
けれど、面白い文章を書く人だよっていったでしょ。
そんなことがわかる部分を読むので写真を見ながら聞いてみて下さい。

「トカゲに続けとばかりに今度はヤモリが飛びはじめた。・・・母さんボクたち、飛べるよ!・・ヒャッハー」
「負けじとかえるも飛ぶ。ヘビを尻目に風に乗り数十メートルも滑空だ・・・ばーか。へびのばーか…悔しかったら飛んでみな」
次はヘビが空を飛び、イカがとび・・・

添えられた文章も特徴を伝えつつとてもユニークなので写真のインパクト強いけど一緒に文章も読むとさらに面白いですよ。

現実の世界でも目にする事の少ないものってたくさんあるけれども
架空の世界では、もっと変わったものがたくさん登場しますよね
お祭りの屋台はみなさんイメージ出来ると思いますが
屋台のように夜に店が並ぶ、夜の市と書いて「夜市」という作品を紹介したいと思います。
この本には「夜市」という話と「風の古道」と二つの物語があって、
私はどちらも大好きです。「夜市」の方を紹介します
「夜市」

大学二年生のいずみは友だちの佑司に「森で開かれる夜市に行ってみない?」と誘われて
2人で向います。
暗がりの奥に青白いほのかな光が見えてきて
進んで行くと無数の店が並んでいて人魂のような炎が木々の間を通り過ぎます。
静かな森の中に静かに店が並んでいるのです。
そこにいるのはこの世のものではないようで、
一つ目ゴリラが、なんでも切れる剣を売り、
首を売っている店の大の上にあるのは、ライオンなど動物だけではなく人間も
鳥を売ってる店の鳥かごの鳥は足が3本あったり、鱗に覆われていたり
棺桶を売っている店の前には腐った死体が立って何かつぶやいています。
いずみは怖くなって「帰ろう」って佑司に言うんだけど、
この市は何かを買わないと外にでることは出来ない場所だったんです。

実は佑司は、小学生の時に5歳の弟とこの夜市に来た事があって
人さらいの店で売っていた野球の才能が欲しくてたまらなくなったのです。
そのとき人さらいは
「坊や、お金がないなら、その連れてる子で代わりに支払ってもいいんだぜ。」と言います
人さらいの店の奥にはさらわれた子供たちが人形のように突っ立っています。
佑司は弟にささやきます
「必ずお母さんとお父さんを連れておまえを救い出してやるから」
佑司が希望のものを手に入れると夜市は突然消えてしまい、
なんと弟は元の世界に始めからいないことになっていました。

大人になった今、弟を探しにきた、ということらしいのですが、さてどうなるのでしょう
夜市から出る事ができるのでしょうか
とても幻想的で最後の落ちも切ないような気持ちになります。物語の世界を堪能できますよ

もう少しポップなコメディタッチのものが好きな人にはこちらの作品をお勧めします
「父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について」

主人公は高校2年生の由奈
生まれた時からお母さんと2人暮らしでしたが
夏の始めにお母さんが亡くなってしまいます。
たまにしかあわない親戚たちが
由奈の引き取りや援助のおしつけあいをしている中
突然やってきたのが金髪のおっさん
「俺はおまえの父親だ。辛かったろう。もう大丈夫だ。俺が守ってやる」
怖い、気持ち悪い、なんだこのおっさん、と思ったとき
「君、その子から離れなさい。怯えてるじゃないか」とやってきたのは、
エリート官僚って感じの眼鏡の男の人。
しかもこの人も、「俺がその子の父親だ」って言うの。
2人ともお母さんからの手紙をもらっていたのだけれどその文面が全くおなじだったんだよね。

「お久しぶりです。元気にしていますか?突然の手紙を許して下さい
実はあなたにずっと黙っていたことがあります。あなたの子供がいます。名前は由奈といいます。今年で十七歳になります。私は今、病院で入院しています。この手紙をあなたが受け取っているってことは私はもうこの世にいないってことです。私の代わりに、この子を支えて欲しいんです。今まで話せなくてごめんなさい。かってなお願いでごめんなさい。でも他に頼れる人が思いつかなくて。あとちょっとしたサプライズがあるかもなので、楽しみにしててね。ではでは」

由奈がお母さんと暮らしていた家は元々キッチンバストイレ共同の安アパートで
廊下の左右に部屋が二つずつあって
1号室は由奈、2号室はお母さんが使って他は物置として使っていたのですが
父親を名乗る2人が3号室と4号室に入る事になります
由奈はこの2人を父親とは認めたくないのですが、未成年だと色々不都合があるので
2人に自分の未成年後見人になってもらう事にしました。

そしてご飯作りと共有スペースの掃除を時給950円でどうかと2人に提案します。

労働の見返りとして生活費をもらう事にすれば自分の気持ちも収まる、と考えたのです

どんな共同生活が始まるのでしょうか
そして、意外な真実が少しずつ明かされていって
とってもハートフルなドラマとなっていました。

最後にすごく変わった中学校でのさらに変わった恋話(こいばな)12本
『恋話ミラクル1ダース』にかいどう青

ミラクル過ぎる未良来(ミラクル)中学校をとりまく12本のコイバナ短編集です。
全体の印象としては、物語の設定もそしてその展開も奇想天外、さらに描かれる中学生の恋心が可愛くて、という感じ。

表紙にあるのは一番最初の物語なんだけど
クラスメイトの男の子の頭に赤いチューリップの花が咲いてて
しかも、クラスのみんなはだれも気にしていないの。
主人公の女の子だけが「どういうこと?!」って思うんだけれども
これには秘めた恋心が関わっていて、とっても可愛い恋物語でしたよ。
こんな話もあります
「神工知能恋AI相談」
スマホの中にいる人工知能ハルの恋
持ち主はレンちゃん
なんとスマホの中のAIであるハルが、レンちゃんと同じ陸上部の長岡コウスケくんを好きになっちゃったからレンちゃん協力して、とお願いする所から始まる物語です。
で、部活の時、レンちゃんは長岡くんに話があるから部活終わったら待ってて、と声をかけます。
校門で待っていたコウスケにレンちゃんは「話があるのはこの子なの」とスマホを見せると、ハルは
「はじめまして、ハルといいます」と吹き出しが表示されるんです。
どちらさま?とコウスケがレンちゃんに聞くので、またレンちゃんはコウスケにスマホを突き出します
「あたしはレンちゃんのスマホの人工知能です」
ここから、ハルの告白があって
「あたしとつきあってもらえませんか?」
普通に考えたら無理でしょ。相手はスマホだし、ってレンちゃんが思っていたら
なんと
「おれ、ハルさんのことなにも知らないし」
「ハルさんはおれのこと見ててくれたみたいだけど」
「だからまずは友だちからはじめるってことでどうかな?」
どんなおつきあいが始まるのでしょう
どんでん返しのある物語が私は好きなのだけど
これはまさにそうで、ハラハラした後の超びっくりでした。
楽しんで下さい。

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