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「笹森くんのスカート」神戸遥真

☆☆☆+

ーーー我が校では、今年度からジェンダーフリー制服を導入しまして……。

笹森くんは制服にスカートを選んだ、ということ?

笹森くんのすらりとした引きしまった長い脚が、今日はまた一段と際立っていた。
笹森くんが、ひだの均等なスカートを穿いていたから。
教室の入り口でそれに気が付いたぼくは、ゆっくりと二度瞬きした。・・・篠原智也


夏休みあけ、いきなりスカートで登校をはじめた笹森くんをめぐる4人の物語。
『恋とポテトと夏休み』などの「恋ポテシリーズ」で第45回日本児童文芸家協会賞を受賞した神戸遥真氏による、連作短編青春小説。


もくじ

1、ぼくもわかるよ・・・・篠原智也

2、きみなら話せる・・・・西原文乃

3、胸の内リスト・・・・細野未羽

4、偽装したいもの・・・遠山一花

5、理由は要らない・・・笹森宏
めっちゃ爽やか!
太ってるとか汗かきとか色々コンプレックスや
一人親とか、母親が2人や家庭の事情とか
恋愛への関心についていけない女の子や
抱えるものはそれぞれ、てんこもりに描かれてるな
何より笹森くんがかっこいい
チャラそうな野々宮くんの笹森君への友情も最高

夏休み明けクラスの男子笹森くんが突然スカートをはいて登校する
笹森君は高身長、爽やかイケメン、陽キャの中心人物
クラスのみんなもちらちら見るけど、笹森君はいつも通り

そんな笹森くんを見つめる4人のクラスメートの視点と、最後は笹森君の視点でスカートをはいてみようと思ったきっかけが描かれる

1「ぼくもわかるよ」
汗かきをとっても気にする篠原君は思う。なんで笹森くんは隠すのをやめたんだろう、って思う。ジェンダーの問題かと捉えて。
ところが笹森君は
「穿いてみたかったから。それいがいに理由いる?」
気さくに篠原君にもこえをかけ、スカート翻してチャリに乗るのもかっこいい
ますます、胸をざわつかせる篠原君
同じクラスの倉内さんはとても「わかる」という言葉を度々口にして、色々気遣う女の子。
笹森君と篠原くんが喋っている所を見ていたらしい倉内さんが篠原君に話しかけてくる
「突然スカートはいてくるなんて、よっぽどの決意だったんじゃないのかなって」
「でもなんかみんな真剣に捉えてない感じでしょう」
「そういうの、良くないと思うんだよね。ちゃんと理解してあげなきゃ、かわいそうだよ。」
「クラス委員だし、私がなんとかしなきゃだよね」

傲慢すぎる。なんか、こういう暴走危険。
でも悪気はなくて、正義感で一杯なんだよねえ。

それでも篠原君はそんな倉内さんのことが好き。

「きみなら話せる」
野々宮くんに突然文化祭に出るバンドのボーカルを頼まれた西原文乃
女子のグループが苦手で何となく色んなグループに必要な時だけまぜてもらうって感じでやっている。
文乃は自分のアニメ声が嫌い。媚びてる、ぶりっこ、陰口の元となる。
野々宮くんの元カノの岡島さんグループに詰め寄られたり
断ろうって思うも、野宮君に突然イライラしたようすで「つきあえ」ってカラオケへ。
倉内さんに笹森君の事で「性的マイノリティなんだからもっと気遣えとかごちゃごちゃ言われた」
って怒ってる。
実際野々宮くんは笹森君に直接聞いたらしく、本人はただ制服のスカートが穿いてみたかっただけ、以外と涼しくていい、とかいうから、向こうが普通なのにこっちが気を使うとかおかしいだろ、と。
笹森くんにどこまでも誠実な野々宮くんが好ましくて、ふと家に母が2人いる事を話す。
野々宮君は、お父さんと2人暮らしで、よく「大変ね」と言われるらしく、でも自分はそれでいーんだって思ってる。
2人でカラオケで熱唱し、バンドのボーカルもやる事に。
メンバーは 野々宮くんはキーボード、笹森君がベースで、中学時代から吹奏楽部でパーカッションをやっている1組の豊中がドラム。
演奏はへたくそでもみんな楽しそうだ

「胸の内のリスト」
細野さんは身長155センチ、体重75キロ、友達に誘われて入った調理部。
かっこ良くスカートをはきこなす笹森君を見て自分の中の常識がバグってく。
やせたい、高校生生活を謳歌したい。そのために彼氏が欲しい、という女の子。
胸の内には好きになりそうな男子リストがしまってあり、告白しては断られている
ぽっちゃりヒロインの少女マンガ、ヒロインを見初めるのはほっそり見栄えのいい男の子で
それって、根っこの部分で自分で自分を認めてないってこと何じゃないか、きれいごとの下に見え隠れする矛盾にイライラしたり。そんな細野さんがリストに入っていない塾で一緒のひょろっとした黒縁眼鏡の男の子に告白される。

「偽装したいもの」
遠山一花は文化祭実行委員 丸めがねに適当に黒ゴムでゆった髪。
文化祭の日、一番仲良しの奈央ちゃんが一花の神を結われる
小学生の男の子とぶつかって眼鏡がはずれ
「え、一花、めっちゃ美人じゃん!」
その後
他校の男の子にナンパされ、断りたいのに言葉につまり、気持ち悪い誰かって思った時に現れたのが笹森くん
「俺の彼女になんか用っすか?」
ライブ用の床につきそうなロングスカート姿で楽器を背負って。

中学に入って色んな男子に告白されて断り続けていたら、一部の女子から反感かって、だから高校では目立たずいこうって決めた女の子。恋愛に興味が内
笹森君に他人の目は気にしないんだね、と言うと
「めっちゃ気にする」「最初の日、超怖かったもん」
「めっちゃ気にしてる自分に気づくためにやってんだな」

「理由は要らない」
従兄弟の真緒と笹森くんは近い場所に住んでいたので兄弟みたいな間柄だった。
そんな真緒から「相談があるんだけど」なんてメッセが届いたのが6月
学校に行くのがしんどい、という。そして嫌なのは制服
なんも考えないでズボン穿けていいね、と。
「俺は男だし、スカートハク理由なんてないし」というと
「私だって・・・私だって、スカート穿くりゆうなんてないんだよ」とこえを荒げる真緒
笹森君は
「大げさに考えんなよ。たかが制服でさ」
それから一週間後、母から真緒が中学校に行っていないのを聞く

調べてみると中学では「特段の理由」があると認められた場合には「しかるべき配慮」がなされるとのこと。
「スカートが嫌だ」それだけの理由じゃなめなのか?
「たかが制服でさ」なんて取り返しのつかない事を言ってしまって、だから笹森君は
スカートをはいてみようと思った

スカートを穿いてきたのを見て野々宮くんは開口一番「イメチェンか?」ってきいてきた
ありのままで良しとしてくれる野々宮くんの存在は大きい
笹森くんは、自分も真緒にとってそういう風でありたいと思う

文化祭、真緒へ送ったメールが既読に


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