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2010-08-28 (Sat)  21:56

「私たちには物語がある」角田光代


私たちには物語がある私たちには物語がある
(2010/04/28)
角田 光代

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☆☆☆
内容説明
人気直木賞作家による、最高の読書案内!
小説はもとより、エッセイの名手でもある角田光代さん。
本書は、幼い頃から活字を追いかけ、膨大な、そして幸福な時間を過ごしてきた彼女の「読書にまつわるエッセイ」と、さまざまなジャンルにわたる「物語」への愛に満ちた書評からなっています。
物語を見渡す、作家ならではの観察眼。そして読書家としての、物語に向ける誠実な愛情。物語に深く沈みこむことの幸せとまだ見ぬ書物との出会いの高揚感を、教えてくれます。
角田さんは「あとがき」に、こう書いています。
「こんなにも世界にはたくさんの本がある。私はこれらの活字を追いながら、じつに膨大な、幸福な時間を過してきた。その幸福な時間が、この一冊には詰まっている。
けれど世界にはもっともっと本がある。本を読むことで、笑ったり泣いたり怒ったりざわざわしたりどきどきしたりうっとりしたり、これだけゆたかに感情を揺さぶられてきたけれど、また別の方法でふれてくる本が(略)まだまだ多くあるのだろう。そう思うと、本当に途方もない気持ちになる。」そして、「紹介した本のなかの一冊でも、おもしろそうと思って手にとっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。これからもともに、本のある世界で愉快に暮らしていきましょう」と。

この本は、感想文集である。
読んだ本の感想や好きな作家への愛情を、ただ、書き綴っただけ。
(あとがきより)

雑誌や新聞などあちこちに発表してきた感想文をまとめたものなので、
その時々の新刊本や話題本が紹介されている。
読みたいなあと思わされたところに付箋を張っていったら
付箋だらけになった。
読んだことのある本もたくさんあったのだけれど、
角田さんの感想を読んだらまた読みたくなる。
たとえば、太宰。
10代のころ好きで繰り返し読んだのに
20代になると太宰の「女々しくて甘ったれ」な部分に身を浸していた自分が恥ずかしくなり
封印するように本箱に収まっていた太宰を、
仕事の依頼のため30代半ばで読み返したそうだが、
「読み始めて、びっくりした」という。
そういうことってきっとあるんだろうなあと思う。
さらに
「今まで抱いていた太宰の印象、繊細さ、敏感さ、自意識、市への憧憬、といったものが
この再読でがらがらと崩れた。」

「読み手が抱きやすい“女々しくて甘ったれ”という部分も、無意識に垂れ流された作家の性質などではなくて、実に老獪に計算され、わざと表面に押し出されたものではないか。自信の持つ繊細さや敏感さ、臆病さや卑怯さ、そういったものを、ていねいに自分から切り離し、笑えるくらい距離を置き、客観的に矯めつ眇めつして眺め、そうしてから作品に落とし込んでいるのではないか」

「言葉の新しさ、ストーリの緻密さ、緻密さの念入りな消去、そして、人間の持つくさみ、なまなましいにおいのおだやかな肯定。生きることにまつわる厄介さ、理不尽さ、残酷さ、ままならなさ、負け戦と知りつつもそうしたものと闘うか弱き姿勢を、私はこの作家の言葉にみる。読み返さなかったら、きっとずっと見なかった姿だ。」


こんな風に書かれたら、私だって再読してみたくなる。
チェックしながら、読まずに忘れていた本たちも
彼女の感想文を見たら、やっぱり読みたくなってくるものがいっぱい。
読み終わって、付箋の数をみて・・やっぱり無理、と感じながらも
この本を読みながら
この本も読みたい、そんな話だったけ?
なんて寝転びながら面白そうな本探しをする時間の
なんと楽しかったことか。

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最終更新日 : -0001-11-30

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